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海外共同研究体験談

QLEARフェローシップでは、「量子」の高い専門性と産学連携の精神を備え、将来、社会の様々な分野において、量子の研究とその成果の社会実装でイノベーションを牽引する量子リーダー人材の育成を目標としています。

その中で、海外での共同研究を希望する方について、毎年1~2名の提案を選考により採択し、海外の量子技術研究拠点とQLEARフェローシップ生の共同研究を支援しています。

2023年度海外共同研究に参加されたフェロ-シップ生より、体験者談が届きました。

海外共同研究を検討している方など、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

海外共同研究体験談

氏名:THAKSAKRONWNONG TASSA

海外共同研究機関:THAKSAKRONWNONG TASSA

国名:イギリス

期間:2023/11/13-2024/1/25

 

・海外共同研究しようとしたきっかけは?

私の博士課程で取り組んでいる研究テーマは、数理ファイナンスの知識と量子計算の知識を必要とした、少しニッチなものとなっているところがあります。(普段、片方のどれかだけをやっている研究者の方が多いということです。)現在私のメンターとしてお世話になっておりますQIQBの宮本幸一先生もその数少ない研究者たちの一例です。このトピックで積極的に研究を行っている人たちがあまりいないため、研究についてや専門的な知識について議論できる相手が少なく、オンライン掲示板でもディスカッショントピックとしては確立されていないようです。

量子計算+数理ファイナンスという研究分野はそのような状況にあるものの、Imperial College Londonでは(今回の私の受入研究者である)Jacquier先生によって研究ユニットが作られつつあります。Jacquier先生はもともと数理ファイナンスの権威であり、強い数学的なバックグラウンドを持っています。近年数理ファイナンスへ応用する量子計算にも関心を持ち、そのトピックに関して著名な論文と参考書を出版しています。また、Rigettiなど量子コンピューターを開発している民間企業との共同研究をも行っている人物であります。この分野の情報共有の環境が整っていない中で、どうやって研究を進めているのかと、現在最先端の専門知識を見習えれば、今後の研究生活にとってとても有益な情報が得られると思い、海外共同研究へ行きたいと思いました。

 

・海外共同研究で渡航までに準備したことは?

主に先生の出版した参考書と論文を予習していました。そして向こうの大学のadmin的な手続き、書類提出、アポイントメントなどについてずっとやり取りをしていました。また、私は日本国籍でないためビザ申請とATASという書類の提出が求められました。ATASというのはイギリスで行う予定の研究は軍事や兵器開発に関係していないかを調べるために、研究目的・研究方法などの計画の提出を求められます。

 そのほかに、部屋探しや生活に関することなどの情報収集を行いました。医療保険への加入、海外で便利なキャッシュカードへの申請なども行いました。

 

・実際に海外共同研究してみてどう感じましたか?

日本にいる間、海外共同研究というものは何かと特別だったり、簡単にはいけないと思ったりするようなものだったように思っていたのですが、実際に行ってみたら向こうの大学にはすでに私と同じようなvisiting studentがたくさんいたのです。パリから、コペンハーゲンからなどでした。さらにまた来る予定の人もいるのだとか。通年そういう人たちが来たり帰ったりしているようで、向こうではこのような研究の交流は割と普通なのかもしれません。私の訪れた数学科の院生たちと先生方も、とっても様々な国出身の方々だったのです。(面白いですが本当のイギリス人は逆にあまりいなかったです・・。)

 

・海外共同研究中の研究の面白さ・苦労した事は?

面白さの第一印象はカジュアルなディスカッションです。研究についてディスカッションするときはもちろん真面目には議論しますが、堅苦しく厳しくはしていないのです。そうすることによって打ち解けやすいと言いますか、心の中に思っていることを躊躇せずに話せるところがよかったと思います。たとえば、分からないことは恥ずかしがらずに説明をお願いできますし、ブレインストーミングで、素朴な提案をしても真面目に一緒に考えてくれます。素朴な考えからスタートしてより良いアイデアに繋がることもしばしばありました。

 逆にこちらがいちいち「○○先生=professor○○」付けで先生を呼んでいることが堅苦しいと思われたくらいでした。先生はジョークで「professor付けで呼んだら反応しないよ」と言ったのです。

また、日本の数学はすぐに抽象的で複雑な式変形を扱うことが得意な(勝手に個人的な)イメージはありますが、向こうでのディスカッション時は簡単な場合から考えて、ヒントを得て拡張していこうというやり方のイメージがあります。私の普段の研究の進め方と違った方法が見習えるということも面白かったことの一つです。

 苦労したことで言いますと、研究の難しさはどこでも共通していると言いますか、数学は分からなかったときいろいろと手を動かして考えたり、いろいろと調べたり、それでもダメだったら先生に相談する、といったようなものなので、対処法というのは敢えて変わらなかったです。もともと日本にいるときでも英語の論文や参考書を用いているので特に変わることはありませんでした。

苦労したということはむしろ生活面だったりしました。ロンドンに着いた最初の日はtap water(水道水)の味がとても変に感じ、飲んでいたら腹の調子も微妙になって夜は気分が悪くなってとても眠れませんでした。後でいろいろ調べたら自分がお湯の蛇口を使ったことは良くなかったようです。ロンドンの水道水は飲めるように24時間管理されているようですが、お湯の蛇口から出る水道水はローカルのタンクに保管されるため、市の管理から外れているので、あまり飲まない方がいいと分かったのです。暖房もセントラルヒーティングというシステムが使われているので、思うままに好きな時に使うことはできず、家主のホストさんが適切にコントロールしていることもあったりします。夜は消されるのでダラダラしていないでベッドに入るのみでした(おかげで生活リズムがとても整いました)。食文化も違ったり、スーパーで売っているものも違ったりで、いろいろ試行錯誤をしながら生活に慣れていったことが、苦労したことでもあれば楽しいことでもありました。ちなみに、スーパーのお弁当はインド料理・中東料理・東ヨーロッパの料理が多く販売されていて、(サンドイッチとパスタ以外はほとんどそういったものばかり)食事は毎日楽しめていました。

 英語は片言でも完璧でなくても優しく聞いてくれる人たちが多かったです。酷い対応に遭遇して自信をなくしてしまうようなことは一度もありませんでした。

 

・先生や研究員などとの交流などはどんな感じでしたか?

先生はディスカッションだけでなくロンドンで開催されるセミナー情報も提供してくれたり、お食事会にもお誘いくださったりしました。それでさらに同年代の学生や研究者たちにも(もちろん他の先生方にも)会えて、会話ができました。みなさんは丁寧で親切に接してくれていました。しかし、社交的な学生さんにナイトクラブに誘われたことを除けば、どこかへ遊びに誘われることは特になかったです。他の学生さんはみなさんもう大人だということもあるかもしれませんが、普段は雑談とか昼ご飯に誘われるくらいで、それ以外各自の研究に取り組んでいる様子が一般的のようでした。この人脈から将来的には共同研究ができそうかというと、この短い期間で知り合っただけでは難しい気がします。でも一回は知り合えたので将来また会えるなら話はしやすくなるでしょうと考えます。

 研究室のポスドクの方は丁寧に研究の相談を聞いてくださって、一緒に考えてくれます。特に良かったのは彼も彼のアイデアを出して一緒に問題を考えて解決策を絞っているというように感じました。2-way-コミュニケーションなので、アイデアが発展しやすい気がします。泥臭い計算は学生(の私)に任せます。

 

・海外共同研究中の生活環境はどうでしたか?住居の手配、物価、休暇の過ごし方等は?

ロンドンでの住居の相場は、Imperial College Londonの近くですと月あたり40万円、通学が1時間くらい離れた場所なら安くても月25万円くらい、というとんでもない価格でした(AirBnbでの調査)。私の場合は幸いなことに、母親の知り合いの知り合いでイギリス人と結婚している方がいて、義理の姉さん(イギリス人)がAirBnbをやっているので私の長期滞在を特別に値引きしてくれました。それでも月15万円くらいはかかりましたが、これ以上のdealはイギリスの現地の人たちから聞いたお話しの中でもなかなかないようです。通学は1時間くらいかかります。場所はHarlesden – Kensal Green周辺で、とてもマルチカルチュラルな地域でした。こちらでもイギリス人らしい人は少数派で、カリブ海出身の人、ブラジル人、ラテンアメリカ人、東ヨーロッパ人、アラビア人が多かったように見えます。(アジア人は渡航した期間の中で10人も見ていないです・・。)みんなは体が大きくてスタイルもちょっと日本のとだいぶ違いますので、最初は恐怖も抱えながらスーパーに行っていたのですが、後々少しずつ慣れてきました。でも犯罪も多いそうなので警戒心を緩めることはなかったです。あと、特に著しかったのは誰も歩きスマホをしていないことでした。みなさん目線をしっかりと上げてまっすぐ前を見て歩いています。通りかかる自転車にスマホを取られて逃げられることもあるのですとか。

 物価は基本的には日本より高いです。特に外食のメイン料理一つは4000円代が多いです。でもスーパーの弁当や食材は日本より安いときもあります。節約のために私はreducedというシールが貼ってあるものを狙うことが多かったです。これは日本でいう半額弁当のようなものです。イギリスの弁当は彩り野菜が多いと感じました。種類とバリエーションも豊富です。しかし、シェルフに置いているreduced商品でもカビが既に生えているものもたまにあるので、注意が必要です。その代わり保存料や添加物をあまり使用していない、自然のものを使っているなと感心しました(笑)。あと、スーパーの弁当でも塩分が低めなので継続して食べるハードルが下がります。

休日はよく友達と町を見回りに行きます。高校時代の友達でロンドンに留学している子がいるので、その子たちにいろいろと案内してもらっていました。Westminster、Big Ben、Thames川沿い、St. Paul Cathedralなどといった観光地巡りに、The National Galleryで絵画を鑑賞したり、PiccadillyにあるFortnum & Masonでアフタヌーンティーを楽しんだり、チャイナタウンで名物の「LSE Fried Rice」を食べたりしました。そのほかにクリスマスパーティーをしたり、Hyde Park Winter Wonderlandへ遊びに行ったり、ミュージカルやバレエも見に行ってみましたし、イギリスの伝統的なクリスマスの演劇である「パントマイム」も見に行きました。全体的にはイギリスのカルチャーはとても興味深くて楽しかったし、学べるところも多かったです。

 

・海外共同研究を終えて変化したことは?

今回の海外共同研究を経て世界は広いなと思いました。私がロンドンで会えた人たちは様々な国から来ていて、みんながお互いに対して違和感を覚えることなく自然に楽しく交流している様子を見ると、海外というのは怖いものではないと、改めて実感しました。自分も頑張れば海外へ行って就職したり、ポスドクをやったりするのは決して無理なことではないと前向きに考えられるようになりました。そして、向こうの文化を体で覚えたからか、知らない人に話しかけたりや何かをオファーする抵抗感が減ったと思います。細かいことを気にすることも少なくなって全体的に楽観的になった気がします。

 

・海外共同研究での経験が帰国後どのように役立っていますか?

研究面で言いますと、考え方が柔軟になったと言いますか、問題や物事への考え方の「アプローチ」または「角度」が増えたと思います。つまり何かの問題に直面したときの対処法の選択肢が多くなったのです。向こうの研究者たちのリラックスした、楽観的な姿勢で、問題に取り組む姿を見ると、自分がストレスを抱えて問題視していた「問題」は実はそれほど「問題」ではないかもしれない、他の人から見れば「問題」だと思っていないこともあるかもしれないということが分かったのです。これによってより楽しく研究にタックルすることができるようになりました。また、ヨーロッパ人は実用性よりも楽しいからだとか、美しいからだとかという感情を持って、数学の研究をしている人がたくさんいるように見えます。自分も最初は研究の楽しさと魅力に惹かれて、修士課程と博士課程への進学を選んだんだということを思い出させてくれました。

 生活面ではより健康状態を意識するようになりました。イギリスへ行った当初は病気になってはいけないという警戒心と不安感が強かったです。そのおかげでちゃんと3食食べて早く就寝していました。すると体験したことのないほど気持ちがよくなって、以前よりもずっと研究に集中できるようになりました。帰国後もそれを継続するように極力心がけています。たまには違ったこともしてみないと自分が落ちている穴に気付かないものだということを痛感しました。

 

・海外共同研究での体験をどのように将来に生かしますか?

得られた専門知識と研究文化に関する気づきは将来のキャリアに必ず役に立ちますが、新たに得られた世界観というものも、今後人生にとっては大きなヒントを与えてくれます。今回の体験で分かったように、世界は広く、人々は様々なバックグラウンドを持っているので、考え方も、ある物事に対する意見や印象も大きく違います。そのたくさんの違いの中からいいものも悪いものもあるので、大切なのは自分と異なった意見や考え方を受け入れて、素直に評価することだと思います。そうすることによって自分の抱えている問題が解決できるかもしれないし、新しい発見ができて世界に共有できるようになるかもしれません。これは研究の意味でも生活の意味でも共通していることだと思います。なので、生き方と働き方が良い方向に発展してくために、これからも上述のことを心に留めて、強いて言えば「人生は一生勉強である」というような心構えを持って、生きてまいります。

 

・海外共同研究を検討している方々へのアドバイスやメッセージをお願いします。

海外共同研究を検討しているのであれば、強くおすすめします。必ず人生においても大きな経験と思い出になるはずです。英語に関する心配は要りません。インターネット時代なので、必要な情報が十分に揃っており、事前に調べておけば何とでもなります。

 逆に注意が必要なことは、緊急時の対処法などです。これも準備で何とかなることが多いです。医療保険への加入、その他の海外でのサポートへの申請、お金を現地で下ろせるカードへの申請、緊急時の連絡先の電話番号などなどです。そして、自分の国の大使館の場所も調べておいて損はないと思います。カードやお金は落として失ったり盗られたりの可能性が常にあるので、予備のカードを別のスーツケースやカバンに入れておくなどという安全措置も必要です。神経質と言われるくらいがむしろちょうどいいかもしれません。万が一のことが起きたら後悔しないために備えておくのです。

 ロンドンに行くのでしたらCitymapperというアプリをお勧めします。これは地図上の最短ルートを検索でき、かつ優先するオプションも選べます。例えば、車椅子対応のルート(スーツケースを引っ張っている場合)や、歩く距離を最小化するルート(雨天の場合)などが選べます。それにそれぞれの区間にかかる運賃も表示されます(グーグルマップだと運賃が表示されないことがあります)。ただし、ロンドンの外では機能しないので注意が必要です。

また、イギリスではキャッシュレス社会が進んでいます。向こうではカードで払うことが基本です。現金が使いにくいので十分に注意してください。ちなみに、contactless決済可能なクレジットカードはOyster card(ロンドンの電車やバスに乗るためのIC card)の代わりに使えることが多いです。Oyster cardを持っていないときに代用できます。

 日本国籍でない場合、ビザ申請の他、ATASという書類が必要かを向こうの大学に問い合わせて確認することをお勧めします。ATASは審査に6週間もかかるもので、ATASがないと研究を開始できないので、渡航日をずらさねばならないかもしれないです。

 

 

2023年度研究者交流会を開催いたしました。

令和6年3月6日(水),3月7日(木),3月8日(金)に大阪大学豊中キャンパス南部陽一郎ホールにて、令和5年度研究者交流会を対面で開催いたしました。

プログラム内容は、招待講演2件、フェローシップ生の成果発表(口頭発表38件,ポスター発表42件)であり、外部から招待講演者を迎え、三日間で延べ122名の参加者を得て実施いたしました。

海外共同研究体験談

QLEARフェローシップでは、「量子」の高い専門性と産学連携の精神を備え、将来、社会の様々な分野において、量子の研究とその成果の社会実装でイノベーションを牽引する量子リーダー人材の育成を目標としています。

その中で、海外での共同研究を希望する方について、毎年1~2名の提案を選考により採択し、海外の量子技術研究拠点とQLEARフェローシップ生の共同研究を支援しています。

2023年度海外共同研究に参加されたフェロ-シップ生より、体験者談が届きました。

海外共同研究を検討している方など、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

海外共同研究体験談

氏名:Rendong Hu

海外共同研究機関:Zernike Institute for Advanced Materials

国名:Netherlands

期間:2023/11/1-2024/1/22

 

・海外共同研究しようとしたきっかけは?

  My current research is a cooperative project. To proceed with my project, I decided to
join the research overseas. And it is also a nice opportunity to keep good relationships with
another good group.

 

・海外共同研究で渡航までに準備したことは?

First of all, I set a goal for overseas joint research. And I made a rough plan based on my
goal. Another important preparation is to manage the schedule at Osaka University. Before
departure, I tried my best to finish my work in Osaka.
In addition, I also needed to arrange the live there, such as living place, in advance.

 

・実際に海外共同研究してみてどう感じましたか?

It is a good experience. Although there were some problems with the process of my
project, somehow I reached my set goal. And it was very nice to meet the professor and my
friends there again and meet new people.

 

・海外共同研究中の研究の面白さ・苦労した事は?

As I mentioned above, my project is cooperative. Groningen is supposed to prepare the
devices and Osaka will finish the measurements under ultra-low temperature. It was
interesting to prepare the devices by myself again and experience the difference between the
two groups, for example, working habits and experimental methods.
Of course, there were some difficulties. The experimental equipment in Groningen is not
as sufficient as in Osaka. The biggest difficulty is to arrange the time with the group members
there. Also, living there is harder than in Japan. Most of the time we need to cook by ourselves.

 

・先生や研究員などとの交流などはどんな感じでしたか?

We keep discussing my project during the PhD program. So it is relatively easier to interact
with professors and researchers. We have meetings every three weeks, which include two
professors and related researchers from both sides (Osaka and Groningen).

 

・海外共同研究中の生活環境はどうでしたか?住居の手配、物価、休暇の過ごし方等は?

The living in Groningen is always hard. The price of a good apartment or studio is
extremely high compared with Osaka. It could be 150,000 yen per month, or even higher.
Most of the official renting companies do not provide short-term periodic properties. I lived
in my friend's house for several days. Finally, with their help, I found a short-term property
from other people.
There was the Christmas holiday during my overseas time. I went to Norway with my
friend during the holiday to pursue the aurora.

 

・海外共同研究を終えて変化したことは?

It became more clear about my PhD program. After discussing with two professors, I
know the requirements for my program. And also my current project procced a big step.

 

・海外共同研究での経験が帰国後どのように役立っていますか?

It is very useful. I would like to say that the lifestyle is different from Japan. I can find a
research style that is more suitable for me. And it provides different methods for my
experiments, both for device fabrication and measurements. It will be helpful for my research
in Japan.

 

・海外共同研究での体験をどのように将来に生かしますか?

  Yes, I will definitely use it. For example, this connection can help me to open my scientific
horizon, for example, my future topic could be more varied, not only limited to my project in
Osaka. In addition, I can also cooperate with more professors who have connections to
Groningen.

 

・海外共同研究を検討している方々へのアドバイスやメッセージをお願いします。

It is definitely a good opportunity. Please try to join the overseas research without any
hesitation. It can not only help your scientific career but also experience a different life. It is
never bad to meet more professional and experienced people.

 

 

2023年度フェロ-シップ新入生ガイダンス(追加採用者向け)

新入生ガイダンス(追加採用者向け)を2023年6月14日(水)11時00分からオンラインにて開催いたしました。新規追加採用者4名が新たにフェローシップのメンバーに加わりました。

今回のガイダンスには新規追加採用者に加え、4月に実施されたガイダンスに参加できなかった新入生も数名参加されました。

はじめに、プログラムコーディネーターの大岩先生からご挨拶をいただき、フェローシップメンバーの簡単な自己紹介が行われました。その後、長谷川先生より、フェローシップの内容についてや奨学金の受給方法について、説明いただきました。

2023年度フェロ-シップ新入生ガイダンス

新入生ガイダンスを2023年4月18日(火)11時00分から吹田キャンパス産業科学研究所講堂にて開催いたしました。新入生17名が新たにフェローシップのメンバーに加わりました。

はじめに、プログラムコーディネーターの大岩先生からご挨拶をいただき、フェローシップメンバーの簡単な自己紹介のあと、フェローシップ採用決定通知の授与を行いました。その後、長谷川先生より、フェローシップの内容についてや奨学金の受給方法について、説明いただきました。

海外共同研究体験談

QLEARフェローシップでは、「量子」の高い専門性と産学連携の精神を備え、将来、社会の様々な分野において、量子の研究とその成果の社会実装でイノベーションを牽引する量子リーダー人材の育成を目標としています。

その中で、海外での共同研究を希望する方について、毎年1~2名の提案を選考により採択し、海外の量子技術研究拠点とQLEARフェローシップ生の共同研究を支援しています。

2022年度海外共同研究に参加されたフェロ-シップ生より、体験者談が届きました。

海外共同研究を検討している方など、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

海外共同研究体験談

氏名:岩谷 孟学

海外共同研究機関:Lehigh University

国名:アメリカ合衆国

期間:2022/10/8-2022/12/21

 

・海外共同研究しようとしたきっかけは?

  Lehigh大学に共同研究者がおり、普段とは異なる環境・設備で研究を行うことで、新しい実験成果が得られると考えたため。また、海外での研究生活を通じて、海外におけるキャリアを考えるきっかけとするため。

 

・海外共同研究で渡航までに準備したことは?

ビザの取得や、現地で測定する試料の用意をした。また、現地の教授や学生をミーティング行い、研究計画を立てた。

 

・実際に海外共同研究してみてどう感じましたか?

ビザの取得や、現地で測定する試料の用意をした。また、現地の教授や学生をミーティング行い、研究計画を立てた。

 

・海外共同研究中の研究の面白さ・苦労した事は?    

研究室間の交流が盛んであったため、多くの学生とディスカッションをする機会があり、様々な考え方に触れることができる面白さを感じた。

 苦労した点としては、短い研究期間ではあるが、馴染みのない装置の使い方をマスターしなければならなかったことや、必要な実験のために新たな測定系を作る必要がしばしばあったこと。

 

・先生や研究員などとの交流などはどんな感じでしたか?

非常に親密な関係性を築くことができた。教授とは、毎日のように研究に関するディスカッションを行い、研究の方向性に関して話し合った。研究室の学生とは非常に親しくなり、週末などプライベートでも出かける機会が多かった。

 

・海外共同研究中の生活環境はどうでしたか?住居の手配、物価、休暇の過ごし方等は?

Airbnb経由で予約したシェアハウスに宿泊した。人の入れ替わりはあったものの、アメリカ人とオーストリア人の方と住む期間が最も長く、プライベートでも出かける関係性となった。

 食品などの物価は非常に高く、日本の2-3倍ほどに感じた。特に、アジア系や日系のスーパーで販売されている日本の製品の価格は、非常に高かった。一方で、衣服などの物価は日本とそれほど変わらないか、むしろ少し低く感じることもあった。

 休暇は、研究室の学生やシェアハウスの住人、彼らの友達と出かけることが多かった。NBA観戦に行き八村選手の応援をしたり、Lehigh大学のアメリカンフットボール部の試合観戦に行ったり、ワシントンD.C.やナイアガラの滝に観光に行ったりと、非常に充実した休暇を過ごすことができた。

 

・海外共同研究を終えて変化したことは?

海外におけるキャリア形成に対する考え方が変化した。渡航前は、海外生活に対する言語や生活環境の不安があったものの、それらの多くが無くなったことで、以前よりも海外でのキャリア形成に対してポジティブに考えるようになった。

 

・海外共同研究での経験が帰国後どのように役立っていますか?

  英語のスピーキングやリスニング能力が向上し、英語に対する自信がついた。また、渡航中に広がった友人関係は継続しており、海外における就職活動などの情報を知る良い機会となっている。

 

・海外共同研究での体験をどのように将来に生かしますか?

  海外生活に対する不安が非常に小さくなったため、海外でのキャリア形成に活かしたいと考えている。また、渡航中に形成した人的なネットワークは、キャリア形成に向けて大きなアドバンテージとなると感じている。

 

・海外共同研究を検討している方々へのアドバイスやメッセージをお願いします。

研究成果を得ることだけでなく、海外における研究環境・生活環境を知ることができる、素晴らしい機会であると感じています。普段と異なる環境に身に置くことは、多様な考え方を習得するためにとても重要で、短い期間ではありますが、研究者として、また人間としての「厚み」をつけることができる場であると感じます。

 来年度以降に海外共同研究に参加された皆様と、ぜひ経験を共有できればと思っております。






 

 

海外共同研究体験談

氏名:TERCERO JOMAR UNICO

海外共同研究機関:KARLSRUHE INSTITUTE OF TECHNOLOGY

国名:Germany

期間:JANUARY 7, 2023 – JANUARY 30, 2023

 

・海外共同研究しようとしたきっかけは?

It has always been a fantastic experience discussing, listening to seminars, meeting other
students during conferences, and learning from the leading researchers in your field. When I
first learned about the opportunity to apply for the Overseas Joint Research, I did not hesitate
to apply, and I was fortunate to get accepted.

 

・海外共同研究で渡航までに準備したことは?

I did an intensive literature search to familiarize myself with the research problem, the
approach we want to use, and the expertise of the group I applied to join with.

 

・実際に海外共同研究してみてどう感じましたか?

It felt great. I learned a lot from Prof. Wenzel, post-docs, and other Ph.D. students from the
group. I could also discuss other stuff, including the hardships and fun sides of being in our
field of expertise, which made me more interested since I know the challenges, I face have
been experienced by everyone.

 

・海外共同研究中の研究の面白さ・苦労した事は?    

Yes, I did. Conducting research has always been challenging, which makes it more interesting.
In the overseas joint research case, the main difficulty I faced was the time constraint. I only
had a month to stay in the research institution, so I needed to maximize everything to make
each meeting and discussion fruitful.

 

・先生や研究員などとの交流などはどんな感じでしたか?

The first week was primarily devoted to discussions. I maximized my 1st week of stay to discuss
with Prof. Wenzel, post-docs, and other Ph.D. students. They helped me formulate the
approach to how we can understand the problem. They gave insightful ideas and suggestions
on how we could understand the topic.

 

・海外共同研究中の生活環境はどうでしたか?住居の手配、物価、休暇の過ごし方等は?

The place I stayed was nice and neat. The price was fantastic since it was the cheapest place
in the area. The location was perfect since it was just a few minutes walk to the city center,
where I could save my grocery, especially for Sundays. Sundays in Germany are like a holiday,
where mostly everything is closed. The city center is also nice since most of Karlsruheʼs
attractions are nearby. I spent some Sunday afternoons for strolls and sightseeing around the
city center and enjoying the architecture of their buildings.

 

・海外共同研究を終えて変化したことは?

I have learned a new approach to understanding the gas-surface interactions of periodic
systems. I have met new acquaintances with whom we can discuss our research, share
challenges, and devise ways to solve the problem, which is crucial to growing as a worthy
scientist.

 

・海外共同研究での経験が帰国後どのように役立っていますか?

It would be of much use in continuing my research here in Japan. The discussions will
continue, and they said to contact them whenever I need comments or suggestions or have
problems with my calculations. They are always willing to help. Also, the learnings I acquired
with their group will significantly help me during my Ph.D. journey.

 

・海外共同研究での体験をどのように将来に生かしますか?

I will utilize the learnings I acquired by putting them into action. The time I spent at KIT
during the overseas joint research program was short but meaningful. I have learned a lot from
them and have had the opportunity to share my work and knowledge with other students.

 

・海外共同研究を検討している方々へのアドバイスやメッセージをお願いします。

Yes, I do have some. Firstly, always believe in yourself. Joining a new group could be
challenging. It is common to be nervous, but once you have connected with them, research
discussions could go smoothly, and sharing ideas wouldnʼt be as tricky as the first meeting.
Secondly, read many papers. It is essential to familiarize yourself with the works of the group
you want to join and the research methods they specialize in. Lastly, be vocal. It is common to
face difficulty in doing research. Donʼt be afraid to ask questions.

 

 

 

                                               

2022年度研究者交流会を開催いたしました。

令和5年2月28(),3月1日(水)に大阪大学豊中キャンパス南部陽一郎ホールにて、令和4年度研究者交流会を対面で開催いたしました。

プログラム内容は、招待講演2件、フェローシップ生の成果発表(口頭発表21件,ポスター発表40件)であり、外部から招待講演者を迎え、二日間で延べ112名の参加者を得て実施いたしました。

海外共同研究体験談

QLEARフェローシップでは、「量子」の高い専門性と産学連携の精神を備え、将来、社会の様々な分野において、量子の研究とその成果の社会実装でイノベーションを牽引する量子リーダー人材の育成を目標としています。

その中で、海外での共同研究を希望する方について、毎年1~2名の提案を選考により採択し、海外の量子技術研究拠点とQLEARフェローシップ生の共同研究を支援しています。

2021年度海外共同研究に参加されたフェロ-シップ生より、体験者談が届きました。

海外共同研究を検討している方など、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

海外共同研究体験談

氏名:Sun Siyuan

海外共同研究機関:Imperial College London

国名:United Kingdom

期間:2021.12.01-2022.02.28

 

・海外共同研究しようとしたきっかけは?

    It was the time that my study should be applied into simulation framework, which the software group of our experiment is at Imperial College London. I saw the invitation of joint research support from QLEAR office, I immediately decided to apply for it.

 

・海外共同研究で渡航までに準備したことは?

    I needed to contact the professor at UK asking if he will accept me as a joint researcher, then prepare for VISA, buying flight ticket, insurance, also PCR test as the special period for COVID. The most time-costing part is finding accommodation.

 

・実際に海外共同研究してみてどう感じましたか?

    It was a great experience. The difference of culture between Europe and Asia impact me a lot. I met many brilliant students at Imperial College London, and they are all very friendly. I fill it’s more efficient to work there.

 

・海外共同研究中の研究の面白さ・苦労した事は?    

    The attitude to research at Imperial College London is very different. PhD students are very happy to ask dumb questions, they just ask what they don’t know or forgot, which I feel a little hard to do so.

 

・先生や研究員などとの交流などはどんな感じでしたか?

    Yoshi is a very friendly person. I feel relax when talking with him, I can say what I exactly want to say, he will give me advice as a friend, instead of as a professor, or boss.

 

・海外共同研究中の生活環境はどうでしたか?住居の手配、物価、休暇の過ごし方等は?

    To be honest the environment of where I lived is not so good. I was a share house living with the owner, I chose it because it was cheap so that I can afford with the limited travel budget. The daily cost is also higher than Japan.

 

・海外共同研究を終えて変化したことは?

 Firstly, I feel my English is improved a little, that of course because I talked with UK people. I also became a better programmer after working there, which will help me to do my research more efficiently.

 

・海外共同研究での経験が帰国後どのように役立っていますか?

    What most impact me is the working style difference between UK and Japan, now I can research more efficiently without wasting time on doing things that doesn’t matter. I would like to suggest our Lab. also change the working style.

 

・海外共同研究での体験をどのように将来に生かしますか?

    I will consider finding a postdoc position at Europe. I only thought about finding a postdoc at Japan before I went to UK, but now I changed my mind.

 

・海外共同研究を検討している方々へのアドバイスやメッセージをお願いします。

    I think it’s a good chance to study abroad, see different culture, work with different people, and you will have new ideas and considerations. It’s also a good chance that you can seek the potential career path, widen the choices you can make after your graduated.

    Most important, be brave. If you are hesitating whether apply for joint research, just do it and see what happens.

 

 

 

                                               

2022年度フェロ-シップ新入生ガイダンス

新入生ガイダンスを2022年4月19日(火)13時30分から吹田キャンパス産業科学研究所講堂にて開催いたしました。新入生21名が新たにフェローシップのメンバーに加わりました。

はじめに、プログラムコーディネーターの大岩先生からご挨拶をいただき、フェローシップメンバーの簡単な自己紹介のあと、フェローシップ採用決定通知の授与を行いました。その後、長谷川先生より、フェローシップの内容についてや奨学金の受給方法について、説明いただきました。

2021年度研究者交流会を開催いたしました。

令和438()に大阪大学豊中キャンパス南部陽一郎ホールにて、令和3年度研究者交流会をハイブリッド形式(口頭講演:南部陽一郎ホールおよびオンライン、ポスター発表:オンライン)にて開催いたしました。

プログラム内容は、招待講演2件、フェローシップ生の成果発表(口頭発表4件,ポスター発表24件)であり、外部から招待講演者を迎えるととともに、量子ソフトウェア研究拠点に参画する外部企業研究者にも周知し、外部研究者と交流を図り、口頭講演には68名の参加者(大学院生40名、教員および研究者28名)、ポスター発表には65名の参加者(大学院生33名、教員および研究者32名)を得て実施いたしました。

2021年度 要旨集

2021年度QLEARフェローシップ受給者の要旨集を公開いたします。

こちらよりダウンロードしてください。

QLEAR2021研究者交流会予稿集

※ダウンロードにはパスワードが必要です。

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